仕事中に別の指示が入ると、もともとの作業を見失ってしまう。
複数の締切が重なると、どこから手をつければよいか迷う。
このような場面が続くと、「自分は仕事に向いていないのでは」と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、マルチタスクが苦手であることは、その人の意欲や能力の低さを意味するものではありません。
仕事の分け方や指示の受け方、周囲の支援によって、取り組みやすさが変わることがあります。
この記事では、ADHDとマルチタスクの関係、仕事を一つずつ進める工夫、相談先の選び方、就労継続支援A型という働き方について紹介します。
仕事でマルチタスクができないこととADHDの関係
ADHDでは、注意を持続しにくい、作業の切り替えに時間がかかる、複数の情報を整理しにくいといった困りごとが見られる場合がありますが、現れ方や程度は一人ひとり異なります。
仕事では、次のような場面で負担を感じることがあります。
・口頭で複数の指示を受けると、一部を忘れてしまう
・電話や急な声かけの後、元の作業へ戻りにくい
・締切が重なると、優先順位を決めるのが難しい
・メモが複数の場所に分かれ、必要な情報を探しにくい
こうした困りごとは、睡眠不足や疲労、指示の曖昧さ、割り込みの多い環境などでも生じます。
大切なのは診断名だけで考えるのではなく、「どの場面で負担が大きいか」を具体的に整理することです。
仕事や日常生活への影響が続いている場合や、診断について知りたい場合は、医療機関などの専門家へ相談する方法があります。
自己判断だけで退職や転職を急ぐ必要はありません。
マルチタスクが苦手なときに仕事を一つずつ進める方法
複数の仕事を同時に抱えたときは、頭の中だけで管理せず、見える形にします。
すべてを一度に進めようとするより、一つずつ確認できる状態をつくることがポイントです。
まず、依頼された仕事を一か所へまとめます。
紙のメモでもアプリでも構いませんが、確認する場所は増やしすぎないほうが整理しやすくなります。
記録する内容は、次の4つを基本にすると分かりやすいでしょう。
・何をするか
・いつまでに必要か
・分からないときに誰へ確認するか
・どの状態になれば完了か
優先順位を自分だけで決めにくい場合は、依頼者へ確認しても問題ありません。
「AとBのうち、どちらを先に進める必要がありますか」と聞くことで、業務全体の順番を共有できます。
作業中に別の依頼が入ったときは、切り替える前に「どこまで終わったか」「次に何をするか」を短く残します。
電話メモも、日時・相手・要件・期限などの欄をあらかじめ決めておくと、情報を整理しやすくなります。
また、大きな仕事は小さな工程へ分けます。
たとえば弁当製造であれば、準備、調理、盛り付け、包装、確認というように区切ることで、今取り組む作業が明確になります。
工夫をしても負担が続くときは相談先を広げる
仕事の整理方法を変えても、ミスや強い疲労、欠勤などが続く場合は、一人で抱え込まず相談先を広げましょう。
相談することは、苦手さを責めるためではなく、働きやすい方法を一緒に探すための行動です。
指示の出し方や仕事量について困っている場合は、上司や人事へ相談します。
その際は、「マルチタスクが苦手です」とだけ伝えるより、困る場面と希望する方法を具体的にすると話し合いやすくなります。
たとえば、次のような伝え方があります。
・複数の口頭指示は、要点を文章でも確認したい
・優先順位が変わるときは、順番を明確にしてほしい
・割り込み後に作業へ戻れるよう、進捗を記録する時間がほしい
診断や体調について相談したい場合は医療機関、仕事選びや職場定着について考えたい場合は地域の就労支援機関が選択肢になります。
支援を受けながら雇用契約に基づいて働きたい方は、就労継続支援A型を検討する方法もあります。
利用できるかどうかは、本人の状況や自治体の手続きを踏まえて個別に確認されます。
まずは市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所、希望するA型事業所へ相談するとよいでしょう。
まとめ|自分に合う働き方を一緒に探しましょう
マルチタスクが苦手でも、それだけで働く力がないと決まるわけではありません。
仕事の分け方、指示の受け方、担当する工程、周囲へ相談できる体制によって、働きやすさは変わります。
まずは、仕事を一か所へ書き出し、締切と優先順位を確認して、一つずつ進めてみてください。
それでも負担が続く場合は、職場や医療機関、就労支援へつながることが大切です。
さいたま市緑区|ハーフマウンテンについて
ハーフマウンテンは、埼玉県さいたま市で就労継続支援A型事業所を運営しています。
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「休職後にどう働けばいいか分からない」「まずは相談だけしたい」という方も、すぐに答えを出す必要はありません。今の状態を整理するところから、一緒に考えていきます。
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